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退去費用で払わなくていいもの——全17項目をチェックリストで総まとめ

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退去費用の請求書を見て、「これって全部払わなきゃダメなの?」と思ったことはありませんか。実は請求書に並ぶ項目の中には、法律上もガイドライン上も、借主が払う必要のない費用がかなり含まれています。

この記事では、退去時に「払わなくていいもの」を17項目にまとめたチェックリストとしてお届けします。請求書と照らし合わせるだけで、数千円〜数万円の節約につながります。

⚠️ 注意
このリストは国土交通省ガイドラインに基づく一般的な判断基準です。契約書に明確な特約がある場合や、借主に明らかな過失がある場合は、一部負担が必要になることもあります。

カテゴリー①:クリーニング・清掃関連(5項目)

退去費用で最も多いのが、このクリーニング関連の請求です。いずれも「通常の生活でついた汚れ」であれば、原則借主負担ゼロです。

#費用項目払わなくていい理由判断
1 ハウスクリーニング代(全体) 通常の使用による汚れの清掃費用は家賃に含まれている。国交省ガイドラインでも「通常損耗の修繕費は貸主負担」と明記。 原則ゼロ
2 エアコン内部クリーニング代 フィルター清掃は借主の義務だが、内部の専門的清掃は貸主負担。大阪高裁(平成25年)でも借主負担が否定された。 原則ゼロ
3 換気扇クリーニング代 定期的に清掃していれば、残った油汚れは経年劣化の範囲。一度も掃除していない場合は別。 条件付きゼロ
4 浴室・トイレのクリーニング代 水アカ・石けんカス・軽微な汚れは通常損耗。掃除不足による広範囲のカビは一部負担の可能性あり。 条件付きゼロ
5 キッチン油汚れクリーニング代 通常の調理による油汚れは「通常損耗」。ただし換気扇が油で完全に詰まっているような場合は特別損耗扱い。 条件付きゼロ
💡 交渉のコツ
クリーニング費用を請求されたら、「どの箇所の、どんな汚れに対しての費用ですか?」と内訳を出させることが第一歩です。「クリーニング費用一式」とだけ書かれている請求書は、それだけで不当請求の可能性が高いです。

カテゴリー②:壁・床・建具の修繕(6項目)

壁紙やフローリングの張替えは高額になりやすい項目。ここで耐用年数の知識が大きな差になります。

#費用項目払わなくていい理由判断
6 壁紙(クロス)全面張替え費用 日焼け・軽微な汚れは通常損耗。また部分補修で済むのに「全面張替え」を請求するのは不当。耐用年数6年を超えていれば残存価値ゼロ。 原則ゼロ
7 フローリングの表面補修費用 歩行による微細な傷や家具のへこみは通常損耗。深い溝や水濡れによる膨張は特別損耗だが、耐用年数(10〜15年)に応じた減価償却が適用される。 通常損耗分はゼロ
8 畳の表替え費用 畳の耐用年数は4〜5年と短く、4〜5年以上住めば表替え費用は原則借主負担ゼロ。日焼けや通常のへこみも通常損耗。 原則ゼロ
9 天井・壁の画びょう穴補修費用 画びょうやピンの小さな穴は「通常の使用の範囲」として、借主負担ゼロと判断されることが多い。ネジ穴のような大きな穴は別。 原則ゼロ
10 襖(ふすま)・障子の張替え費用 日焼けや経年劣化による張替えは貸主負担。ただしペットによる引っかき傷や、子供が破った穴は特別損耗として一部負担あり。 経年劣化分はゼロ
11 網戸の張替え費用 経年劣化による網のたるみ・破れは貸主負担。明らかに借主が物をぶつけて破った場合は一部負担の可能性あり。 原則ゼロ

カテゴリー③:設備・機器関連(4項目)

鍵交換や設備交換は、大家側が「とりあえず交換しておこう」と請求してくることが多い項目です。

#費用項目払わなくていい理由判断
12 鍵交換費用(シリンダー交換) 「防犯上の理由で退去時に交換」という請求は大家側の任意の判断であり、借主に負担義務なし。鍵を紛失した場合のみ実費負担。 原則ゼロ
13 水道パッキン・蛇口交換費用 パッキンの劣化は経年劣化(通常損耗)であり貸主負担。水を出しっぱなしにして水漏れさせたなどの過失がない限り、借主負担ゼロ。 原則ゼロ
14 照明器具の交換費用 備え付け照明の故障・寿命は貸主負担。ただし借主が取り付けた照明器具の撤去費用や、照明器具を破損した場合の修理費は借主負担。 原則ゼロ
15 給湯器の修理・交換費用 耐用年数8〜10年を超えた給湯器の交換費用は貸主負担。耐用年数以内でも、通常使用による故障の修理費は貸主負担が原則。 原則ゼロ
🔑 鍵交換費用のトリック
鍵交換費用は退去費用の「定番」ですが、裁判でも借主に鍵紛失などの過失がない限り支払い義務なしと判断されています。「防犯上の理由で交換が必要」と言われたら、「それは大家側の判断ですよね?私の過失ではないので負担できません」と伝えましょう。

カテゴリー④:その他の不当請求(2項目)

#費用項目払わなくていい理由判断
16 次の入居者募集費用・広告費 退去によって空室になるのは賃貸経営の通常のリスクであり、次の入居者を探す費用(AD・仲介手数料など)を退去する借主に転嫁することはできません。国交省ガイドラインにも明記されています。 完全ゼロ
17 退去立会費用・事務手数料 退去立会いや精算事務は大家側の通常業務です。これを「手数料」として請求する法的根拠はなく、契約書に特約があっても消費者契約法で無効と判断される可能性が高いです。 完全ゼロ
🚨 特に注意——「次の入居者募集費用」
仲介手数料(賃料の1ヶ月分など)を退去者に請求するケースがありますが、これは完全な不当請求です。国のガイドラインでも明確に否定されています。この項目が請求書にあったら、即座に拒否してください。

まとめ——請求書が来たら、まずこの3ステップ

  1. このチェックリストと請求書を照らし合わせる——上記17項目に該当するものがないか確認
  2. 「通常損耗」か「特別損耗」か分類する——通常損耗なら自信を持って拒否
  3. 内訳を要求し、拒否の根拠を伝える——「国交省ガイドラインに基づき、この費用は通常損耗に該当するため負担できません」と明確に伝える

17項目のうち、特に「ハウスクリーニング代(#1)」「壁紙全面張替え(#6)」「鍵交換費用(#12)」「入居者募集費用(#16)」の4つは、請求される頻度が高く、かつほぼ確実に拒否できる項目です。この4つを断るだけで、数万円の差になります。

請求に納得できない場合は、消費生活センター(全国共通ダイヤル 188番)に相談するか、弁護士・司法書士に依頼して内容証明郵便を送ることも検討してください。

よくある質問

まずは内訳を出してもらってください。「どの箇所の、どんな汚れに対しての費用か」が明示されていない請求は、それだけで不当請求の可能性が高いです。通常の生活でついた汚れであれば、支払いを拒否できます。

6年以上住んでいる場合、壁紙の耐用年数(6年)を超えているため、残存価値はゼロです。通常損耗(日焼け・軽微な汚れ)であれば支払う必要は一切ありません。ペットの傷やタバコのヤニなど「特別損耗」がある場合でも、経過年数に応じて減額されます。

いいえ、鍵を紛失したり壊したりしていなければ、支払う必要はありません。「防犯上の理由で交換が必要」というのは大家側の任意の判断であり、その費用を借主に転嫁することはできません。

絶対に払う必要はありません。これは国交省ガイドラインでも明確に否定されている不当請求です。退去によって空室になるのは賃貸経営の通常のリスクであり、次の入居者募集費用を退去者に請求する法的根拠は一切ありません。

敷金から差し引く場合、大家側には費用の内訳と根拠を明示する義務があります。不当に差し引かれた場合は、内容証明郵便で返還を請求するか、少額訴訟(本人訴訟で可能、費用も数千円程度)を検討してください。敷金返還請求権の時効は10年です。

はい、通常の生活によるフローリングの汚れに対するワックスがけ費用は「通常損耗」として借主負担ゼロです。深い傷の補修後に必要となるワックスがけであっても、傷自体が通常損耗であれば、付随するワックスがけ費用も借主負担にはなりません。

それは不当な圧力です。請求内容に同意できない場合は、サインせずに「内容を確認してから回答します」と伝え、その場ではサインしないでください。どうしても鍵を返してもらえない場合は、警察に相談するか、消費生活センター(188番)に連絡してください。

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