フローリング補修の退去費用——家具の跡は借主負担?ケース別に線引きを解説

退去時にフローリングの補修費用を請求され、「こんなに高いの?」と驚いたことはありませんか。実はフローリング補修は、請求されやすい箇所トップ3に入るほどトラブルが多い項目です。特に「通常損耗」と「特別損耗」の線引きが難しいため、管理会社との認識のズレが生じやすいのです。
この記事では、フローリング補修費用の相場と、ケース別の「払うべき・払わなくていい」の判断基準を明確にします。
- 家具の設置による凹み・跡は通常損耗→借主負担ゼロ
- 水漏れ・ペットの傷など明らかな過失は特別損耗→借主負担
- ただし入居年数が長いほど、「通常損耗」と認められる範囲は広くなる
フローリング補修費用の相場
| 補修内容 | 相場 | 借主負担の有無 |
|---|---|---|
| ワックスがけ(全面) | 5,000〜15,000 円 | 通常損耗→なし |
| 部分補修(小さな傷1〜2箇所) | 3,000〜10,000 円 | 過失なら負担 |
| 部分張替え(1〜3枚) | 10,000〜30,000 円 | 過失なら負担 |
| 1室全面張替え | 50,000〜150,000 円 | 部屋全体に及ぶ過失のみ |
| 全室全面張替え | 100,000〜300,000 円 | 極めて稀 |
ケース別——払うべきケースと払わなくていいケース
【払わなくていい】家具の設置による凹み・跡
冷蔵庫・洗濯機・ソファ・ベッドなど、日常生活で家具を置くことによる床の凹みは通常損耗です。国交省ガイドラインでも明記されており、この費用を借主が負担する必要はありません。「家具を置いて生活することは賃貸借契約で想定された通常の使用方法です」と伝えましょう。
【払わなくていい】日焼け・変色
窓際のフローリングが日光で変色している場合、これは経年変化(通常損耗)です。カーテンを閉めなかったことなどを理由に過失を問われることもありますが、通常の生活で日光が床に当たるのは避けられません。借主負担にはなりません。
【場合による】水濡れによる膨れ・剥がれ
観葉植物の水やりによる水漏れや、洗濯機の排水漏れで発生したフローリングの膨れは過失による特別損耗です。ただし、部分的な補修で済む場合は3,000〜30,000円程度に抑えられることが多く、全面張替えを請求されても応じる必要はありません。
【払う必要あり】ペットによる深い傷・引っかき傷
犬や猫の爪による深い引っかき傷は、通常損耗とは認められず借主負担となります。ただし、ペット可物件であってもこれは同様です。「ペット可」は「傷をつけてもよい」という意味ではないためです。
【払う必要あり】タバコの焦げ跡
タバコの火による焦げ跡は明らかな過失です。部分補修で済む範囲であれば数千円〜1万円程度ですが、フローリングに多数の焦げ跡がある場合は張替え費用が発生します。
全面張替えを請求されたときの対処法
フローリングの全面張替え(5〜15万円)を請求された場合、以下の3点を確認してください。
- 被害が局所的でないか——傷があるのが1〜2枚だけなら、部分補修で十分。「全面張替えの必要はない」と主張できる
- 入居年数による減額が適用されているか——フローリングの耐用年数は15〜20年。入居5年なら負担は最大でも25〜33%
- 見積書を別の業者に査定してもらう——管理会社指定業者の見積もりが相場より高いケースがある
「フローリング全面張替え15万円」と言われたら、「そのうち過失による損傷部分は具体的にどこですか?部分補修で対応できる範囲を教えてください」と聞く。多くの場合、全面張替えの必要はなく、この質問で請求額が大幅に下がります。
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よくある質問
請求されるケースは多いですが、本来払う必要はありません。家具の設置による凹みは国交省ガイドラインで「通常損耗」と明記されています。管理会社が請求してきたら「通常損耗の範囲であり、ガイドライン上借主負担ではない」と伝えてください。
目安として、日常生活で普通に生活していてつく傷は通常損耗、明らかに不注意や乱暴な扱いでついた傷は特別損耗です。判断に迷う場合は、国土交通省の「原状回復ガイドライン」に具体的な事例が掲載されています。また、入居年数が長いほど「通常損耗」と認められる範囲は広くなります。
フローリングの全面張替えが必要になるのは、部屋全体に及ぶ水漏れや、全面にわたる深い傷がある場合に限られます。傷が一部分だけであれば「部分補修で十分」と主張しましょう。見積書を取り寄せ、別の業者に査定を依頼するのも有効です。


