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退去費用は火災保険でカバーされる?借家人賠償責任保険の意外な使い方

「退去費用が高すぎる——火災保険でなんとかならないか」と思ったことはありませんか?実は、火災保険に付帯する借家人賠償責任保険を使えば、退去費用の一部が保険でカバーされるケースがあります。

ただし、どんな損害でも保険が下りるわけではありません。この記事では、火災保険で退去費用をカバーできる条件と、できないケース、実際の請求手順を詳しく解説します。

⚠️ 最初に知っておくべきこと
  • 火災保険でカバーされるのは「偶然な事故」による損害のみ。通常損耗や経年劣化は対象外
  • ほとんどの賃貸契約では、入居時に火災保険への加入が必須——あなたも既に入っているはず
  • 自分で火災保険に入っていなくても、大家がかけている保険が使えるケースもある

火災保険で退去費用がカバーされるケース・されないケース

退去費用の項目火災保険でカバー理由
うっかり窓を割ってしまった✅ カバーされる偶然な事故による破損
洗濯機の水漏れで床が傷んだ✅ カバーされる偶然な事故(ホースの外れ等)
家具を移動中に壁に穴を開けた✅ カバーされる偶然な事故
ペットが壁紙を引っかいてボロボロに✅ カバーされる借家人賠償責任の対象(偶然性あり)
子どもが床に落書きしてしまった✅ カバーされる日常生活に起因する偶然な事故
日常生活による壁紙のヤケ・日焼け❌ 対象外通常損耗・経年劣化
入居中にできた床の小さな凹み❌ 対象外通常使用の範囲内
ハウスクリーニング代❌ 対象外通常の清掃費用は保険対象外
タバコのヤニによるクロス汚れ❌ 対象外故意・継続的行為による損耗
鍵交換費用❌ 対象外事故ではない
🔑 保険が下りるかどうかの判断基準
火災保険(借家人賠償責任保険)でカバーされるのは、あくまで「突発的で偶然な事故」によって発生した損害です。「知らないうちに汚れた」「気づいたら傷んでいた」という経年変化は対象外。「うっかり」「うっかり」がキーワードです。

借家人賠償責任保険とは——火災保険にほぼ自動付帯

多くの方が「火災保険に入っている」と認識している保険には、実は借家人賠償責任保険がセットになっています。これは、借主(あなた)が大家に対して負う損害賠償責任をカバーする特約です。

項目内容
保険の対象借主が大家に対して法律上の損害賠償責任を負った場合
補償の範囲偶然な事故による建物・設備の損害
保険金額通常 1,000万〜3,000万円(対物)
免責金額(自己負担)0〜10,000 円(保険契約による)
保険期間入居から退去まで(最長2〜5年で更新)
✅ まずは確認——あなたの保険証券を見つけよう
入居時に渡された書類の中に「火災保険証券」または「賃貸住宅総合保険証券」が含まれているはずです。「借家人賠償責任」という文字が書いてあるか確認してください。見つからない場合は、管理会社に「保険の証券番号を教えてください」と連絡すればすぐにわかります。

実際の請求手順——管理会社への「払います」の言い方に注意

保険を使う際の最大のポイントは、管理会社とのやりとりです。以下の手順を守らないと、保険が使えなくなることがあります。

正しい手順

  1. 退去立会い時:「この傷は保険で対応します」とは言わず、「確認します」にとどめる
  2. 保険会社に連絡:事故の内容を伝え、適用可否を確認。保険会社の指示を仰ぐ
  3. 管理会社に伝える:保険会社の指示に従い「この部分は借家人賠償責任保険で対応します」と正式に伝える
  4. 保険会社が査定:保険会社の調査員が現地確認(写真で済むこともある)
  5. 保険金支払い:保険会社から大家(または管理会社)に直接支払われる
⚠️ 絶対にやってはいけないこと
退去立会いの場で管理会社に「わかりました、払います」と言ってしまうことです。保険を使う場合、まず保険会社に事故の連絡をしてからが鉄則。先に「払います」と言ってしまうと、保険会社が「すでに示談が成立している」と判断し、保険金が下りない可能性があります。

保険でカバーされた退去費用の実例

事例①:洗濯機の水漏れ→フローリング張替え——18万円が保険で全額カバー
入居3年目の2LDK。洗濯機の給水ホースが外れて水漏れし、気づいたときにはフローリングの一部が水で膨張していました。管理会社からフローリング全面張替え費用18万円を請求されましたが、借家人賠償責任保険の「水漏れ事故」として申請し、全額が保険でカバーされました。入居者の自己負担は免責金額の5,000円のみ。
事例②:ペットの猫が壁紙全面ボロボロ——12万円のクロス張替えに保険適用
1LDKで猫を2匹飼育(ペット可物件)。猫が壁紙のあちこちを引っかき傷だらけに。管理会社からクロス全面張替え費用12万円を請求されました。借家人賠償責任保険に「ペットによる損害」特約が付いていたため、全額が保険でカバーされました。
事例③:保険が下りなかったケース——タバコのヤニ汚れ
1Kで6年間喫煙。壁紙が黄色く変色し、クロス全面張替え+消臭作業で15万円を請求されましたが、保険会社は「喫煙による損耗は故意・継続的行為であり、偶然な事故ではない」として保険金支払いを拒否。このケースでは、入居年数による減価償却(6年以上で壁紙負担ゼロ)での交渉に切り替え、最終的に5万円で決着しました。

大家がかけている保険(家財保険)との関係

意外と知られていませんが、大家側も賃貸物件に対して火災保険(住宅総合保険)をかけています。大家側の保険は建物全体をカバーしており、以下のような損害は大家の保険で対応できるケースがあります。

  • 台風で窓ガラスが割れた
  • 上階からの水漏れで天井にシミができた
  • 落雷でエアコンが故障した

これらは入居者の過失ではないため、大家の保険でカバーされるのが原則です。管理会社から「借主負担で」と言われたら、「これは自然災害なので大家様の保険の対象ではないですか?」と確認してみてください。

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よくある質問

いいえ。火災保険(借家人賠償責任保険)でカバーされるのは「偶然な事故」による損害のみです。通常損耗(日焼け、家具の凹み、経年劣化)やハウスクリーニング代、鍵交換費用は対象外です。

管理会社に「火災保険の証券番号を教えてください」と連絡しましょう。契約時の賃貸借契約書のセットに保険の資料が含まれているはずです。どうしても見つからない場合は、入居時に保険料を支払った記録(賃貸契約書の費用明細)を確認してください。

借家人賠償責任保険は等級制度がないため、使っても翌年の保険料が上がることは基本的にありません。ただし、保険会社や契約内容によって異なるため、念のため確認してください。

保険適用を希望する場合は、立会いの場で金額に合意してはいけません。「確認します」とだけ返事をし、その後保険会社に連絡してください。先に合意してしまうと「示談成立」とみなされ、保険金が支払われない可能性があります。

台風・落雷・上階からの漏水など、入居者の過失ではない自然災害や不可抗力による損害は、大家がかけている建物保険でカバーされるのが原則です。管理会社から借主負担を求められたら、「これは大家様の保険の対象ではないですか」と確認しましょう。

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